第5回副業型自伐林家養成塾③(平成25年度/高知県)

・第4クール(12月)
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12月のテーマは『軽架線』

講師 : 片岡正法氏(木の駅ひだか駅長)

・詳しくはここから

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■12月の研修内容は「軽架線」(成川順/報告・写真撮影/2013.12.21-22)

◆土佐の森方式軽架線の誕生

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 初日の午前中は、軽架線と林内作業車についての座学であった。午後は、茂平の森(日高村)で、それらを使っての一連の作業の流れを見学した。

 軽架線については、その生みの親ともいえる松本総括指導員が熱く語った。それは、およそこんな内容であった。

 「私は、80haほどの山林を持っていて、県職員をしながら、休みの日には、山仕事をしていました。30年前に林内作業車というものを手に入れ、(こんな便利なものがあるのか)と驚きました。一時、林内作業車は、大規模林業の高性能林業機械に押され、森林組合、木材生産業者などが全く使わなくなり生産中止の道を歩み始めていましたが、土佐の森方式による自伐林業(小規模林業)の全国的な普及により、その良さが見直され、最近は息を吹き返してきています。改良型の機種も出てきているようです。

 林内作業車を使って山中の木材を搬出する時、どうしてもうまくいかないことがあるのです。木材の縦の移動と横の移動がなかなかスムーズにいかないのです。それで、専門知識のある人に動滑車による力学的作動を、専門技術を持つ人にキャリア(鉄板製搬器)の設計を、それぞれ相談して工夫に工夫を重ねてできあがったのが、現在の「土佐の森方式軽架線」なのです。軽架線と林内作業車は、一体のものです。」
【写真】図を指し示しながら、軽架線誕生の歴史を熱く語る松本総括指導員。

軽架線とは

d0333343_7474757.jpg 林内作業車については、機械操作大好き人間の片岡指導員(「木の駅ひだか」駅長)が、得意のイラストを黒板いっぱいに描いて、わかりやすく説明した。

 土佐の森方式の自伐林業では、林内作業車は、木材の搬出のみならず、集材、運搬にも使う。

d0333343_7481193.jpg 軽架線による林地残材の搬出。この写真では木材の長さがわからないが、たいして太くもないのに、地面すれすれのところを引きずられて移動しているので、かなり長い木材であったと思われる。

 キャリアの鉄板は、厚さ1㎝、幅15㎝、長さ90㎝、重さ2.7㎏。4つの定滑車と1つの動滑車がセットされている。補助線(ワイヤー)を使うことにより、林内作業車から主索のスパンの長さの2倍(主索が100mであれば200m)離れたところの木材を引き上げることができる。


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 土佐の森方式の軽架線はキット化されており、高知県いの町枝川の綱屋産業(株)で販売されている。

 日本財団、国土緑化推進機構(緑の募金事業)などの助成対象機材になったことから全国に普及、森林ボランティア活動、自伐林家の間伐搬出作業に使われている。
◆現在の改良型「土佐の森方式軽架線」
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【写真】定期的に開催されている軽架線研修会(高知県本山町/吉野川森林救援隊)

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◆軽架線の実習

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 3班に分かれ、軽架線を使って林地残材の搬出を実地に行なった。私は、池さん、川端さん、長瀧さんと同じ班になり、林内作業車の操作から入った。写真は、長瀧さんが、作業道の下70mほどのところの木間に見え隠れするキャリアの動きを覗いながら、林内作業車を的確に操作しているところ。いつも感心するのだが、長瀧さんの機械操作能力は高い。

 次に、「ローテーション!」の号令がかかり、作業道の下70mほどのところに、草をかき分けながら、下りて行った。山中に集められていた林地残材を作業道へ引き上げるのである。長い補助線を使って、その地点まで遠くの残材を集めるという同時進行の作業もあった。玉子(木材の玉かけ用、1.5mくらいの長さ)をぶら下げたキャリアが下りてくると、動滑車のフックに木材を括り付けた玉子と付け替えて、作業道に引き上げるのである。

 再び笛が鳴り、「ローテーション!」の号令がかかる。林内作業車やチェーンソーのエンジン音で人の声がかき消されるので、現場では注意喚起の笛が活躍する。作業道に上がってきた木材を地面に下し、フックに玉子をつけて、再び下の現場にキャリアを戻すのが、ここでの作業である。最も体力を要求される現場であり、重い木材を着地させるときには、振り回されて、危険も伴う。

 午前中で軽架線の実習が終了したので、昼食の後、シイタケの榾木(ほだぎ)作りのための伐倒を行った。ファミリー・センターなどで売っている太くてまっすぐな榾木は、かなり選木されていることがわかった。

d0333343_749461.jpg 林内作業車は、集材や運搬も行なう。

 積まれているのは、3mに切りそろえられたA材である。軽トラに積まれているのは、およそ1.8mに切りそろえられたC材である。

 C材は、軽トラ一杯で、約3000円の計算である。

d0333343_7492293.jpg 伐倒され、作業道をふさいだシイタケ原木(ナラ)を解体し、1mサイズに切りそろえているところ。研修生たちの人海戦術で、作業は短時間で終わり、午後2時前に本日の研修はすべて終了した。

 深山の研修地では午後2時頃に終了するのは普通であるが「茂平の森」のように近場のフィールドで2時前に作業や研修が終わることは、珍しいことである。
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・第5クール(1月)

・第6クール(2月)

・第7クール(3月)
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# by npo-tosanomori | 2013-12-22 18:58 | 副業型自伐林家養成塾

第5回副業型自伐林家養成塾②(平成25年度/高知県)

・第3クール(11月)
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 今回の内容は「作業道づくり」です。

 フィールドは、2年前の高知県副業型自伐林家養成塾の卒業生谷岡宏一君(20歳)の自山です。

谷岡少年の森

谷岡青年の森

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◆1日目/11月16日

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 谷岡青年は養成塾卒業後、佐川町のこの持ち山にて、お母さん(同卒業生)とともに自伐林業を開始して2年目ですが、このように、既に約1.5kmほどの作業道を敷設しています。最近の作業道はかなり上手になっています。成長が垣間見えます。

 高卒後未経験の林業に参入してまだ2年、大したものです。橋本さん言うとおり、自伐林業は覚悟があれば誰でも本当にできるということを身で証明してくれています。ちょっとひきこもり気味だった彼が、自伐林業でどんどん成長してきています。

 この日は講師の橋本さんによる、これまで作った作業道の検証と、悪い箇所の修正です。非常に勉強になりますね。真面目にとても頑張っている彼ですが、この山は条件に達しないないということで国の支援を受けられない山です。県単独及びNPO土佐の森・救援隊の支援を受けながら、何とか森林施業(作業道開設、間伐、搬出、運搬)を実施してきました。彼のおじいさんが植栽した山ですが、非常にいい森になりつつあります。26年度は国もちゃんと支援できるように変わってほしいものです。(中嶋健造)

谷岡青年の自伐林業

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・Make a difference! (成川順/報告・写真撮影/2013.11.16)

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 アメリカのシアトル在住の友人(在米23年の日本人)は、アメリカの学校教育が日本の学校教育と決定的に違うところは、「Make a difference!」と先生が生徒を指導している点だと言う。「Make a difference!」は「我が道を行け!」とでも意訳すればいいのだろうか。木材価格の長期低迷が続く日本国で自伐林家として生き残っている人たちは、努力と工夫、そして強烈な個性の人たちである。

 徳島在住の自伐林家・橋本光治さん(67)は、作業道づくりでは四国の第一人者と目されている人だが、元銀行員である。自伐林家として35年の試行錯誤の後、山林内に30kmの葉脈のように走る作業道を完成させた。長伐期、択伐による複層・針広混交林を実現したことにより朝日森林文化賞を受賞している。橋本さんは、後進にかくアドバイスする。

 「自伐林家を目指している人は、自分の身の丈に合った森林作業道を開設し、機械化し、自家労働で行うべきです。基盤整備の作業道は欠かすことができません。作業道を利用して、間伐を行い、中間収入を得るのです。皆伐はいけません。道の敷設が不可能なところは、土佐の森方式の軽架線で搬出すればいい。山林所有面積の少ない人は、いわゆる農家林家として生計を立てればいい。1年1kmの作業道をつければ、200万の補助金が出ます。間伐の補助金が80万、木材が64万で、年に344万になります。人に頼んだらダメですよ。自分でやれば、何とかなるものですよ」

 この日は、午前も午後も橋本さんが講師を務めた。午前中は座学で、午後は「谷岡青年の森」(佐川町古畑)で作業道づくりの現場を見学した。谷岡青年は、一昨年の養成塾の卒業生で、橋本光治さん、安藤忠広さんのアドバイスを得て、現在1300mの作業道を敷設している。橋本さんは、「作業道のカーブは、女性の体のようにまーるくするのです。この岩は砕きなさい。あの木は伐りたくなるだろうけど、残しなさい。」と具体的にアドバイスしていた。

【写真】中央が橋本さん、左が谷岡青年、右が研修生たち

d0333343_19381770.jpg 橋本さんの作業道づくりの解説は、エネルギッシュで、具体的である。

 今後、行政面で、自伐林業を組み入れようとしている佐川町(新町長の公約)の職員も3名、研修生に混じって、見学していた。

高知県佐川町長に堀見氏(2013.10.7/高知新聞より)
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◆2日目/11月17日

・若き自伐林家 (成川順/報告・写真撮影/2013.11.17)

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 前日に続き、「谷岡青年の森」で作業道づくりの実際を見学した。

 谷岡青年というのは、正真正銘の青年で、御年20歳、自伐林家の世界では注目すべき新進気鋭の若者である。春秋に富んでいるので、自伐林家としての成長が楽しみである。

 実は、私は、6か月ほど前に、1度この森を間伐したことがあるのだが、その頃と比べると、間伐も進み、道づくりも進み、森全体が明るく、落ち着いたものになっていて、驚いた。NPO法人 土佐の森・救援隊のサポートはあるが、基本的には、彼一人がコツコツと作業を積み重ねた結果であろう。

 「5秒ほどしてから返事をする」ご本人は、無口なほうなので、最初お姉さんのように見えたお母さんにいろいろ聞いてみた。

 「2年前、専門学校をやめて、うちでぶらぶらしていたので、副業型自伐林家養成塾を勧めました。いっしょに申し込み、私も受講しました。うちの山林は44haくらいあります。ユンボは120万、林内作業車は40万で、ネットオークションで買いました。1年で1300mの作業道ができました。私は勤めを持っていますので、休みの日しか手伝えません。危険な作業は、私の目がある時にやらせるようにしています」

【写真】谷岡青年にユンボの操作を指導する橋本さん(右)。私の目には、谷岡青年も神業のようにユンボを操作していたのだが・・・。

d0333343_19475263.jpg【写真・左】林道から入って50mほどのカーブをユンボを駆使して大改修している橋本さんとそれを感嘆して見学している研修生たち。

 この日1日がかりで、カーブ改修は完了した。d0333343_19483436.jpg

【写真・右】安藤忠広さん(橋本光治さんの弟子)に同行してきた平泉さん。一つ目の女鬼太郎みたいだが、右にも目はある。

 木工家を目指しているそうだが、なぜかユンボがお上手。
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◆3日目/11月18日

・「谷岡青年の森」での伐倒実技 (成川順/報告・写真撮影/2013.11.18)

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 養成塾3日目は、「谷岡青年の森」での伐倒実技だったが、和歌山県から来ている金子さんと私が、指導員の荒木さん(経験10年)について森の奥に入った。

 「谷岡青年の森」では、今年最後の伐倒だったが、荒木さんのチェーンソーを3人が交代で使い、午前午後合わせて20本くらいも伐倒しただろうか。すでに間伐が進み、樹間が空いていたので、「かかり木」(他の木の枝が絡まって倒れない)にてこずることはほとんどなかった。

【写真】「かかり木)を「木回し」で倒そうとしているところ。左:荒木さん、右:金子さん。

d0333343_20565915.jpg 林道の近くでは、A材の搬出をしていた。左から松本さん、尾立さん、入江さん。


・NPV活動(土佐の森グループ「谷岡青年の森」より)
 11月18日(月)、参加隊員は5名+谷岡青年。養成塾研修生は5名が参加。整備予定のエリアの伐採を完了。2t車1台のA材を「木の駅ひだか」へ搬送して、今年度の「谷岡青年の森」支援活動は終了です。
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◆4日目/11月20日

・トビを買った (成川順/報告・写真撮影/2013.11.20)

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 重い材木を人力でコントロールするときには、トビがないと、素手でやっていたのでは仕事にならない。トビを材木に突き立て、少し距離を置いて立ったまま、自らの体重プラス腕力で、てこの原理(支点・力点・作用点)なども応用しつつ、材木を扱うことができるからだ。場合によっては命に係わる場面もあり、これほど道具という物のありがたさを痛感することはない。

 必要に迫られて、いの町の林業専門店・綱屋でトビを買った。標準的なもので、金属の部分(2000円)と柄の部分(2500円)に分かれており、セットで4500円。組み立ては、自分でするのである。どうして「トビ」と言うのだろうか。金属部分が鳥のトビの顔と似ているからだろう。長さは136㎝、長年の試行錯誤の結果、この長さに落ち着いたのだろう。

 11月20日(水)は、茂平の森(日高村)で木材を搬出した。上の作業道から軽架線(50m)を張り、間伐材を引き上げ、2tトラック1台のA材、軽トラ6台のC材を「木の駅ひだか」へ搬送した。この日の積み込み、積み下ろし作業で、自分のトビを初めて使った。トビを使いつつ写真も撮るなんて芸当はできないので、この日の作業写真は写せなかった。
【写真】は、道具と機械に詳しい好永さんに完成してもらった私のトビ。トビの組み立てにもコツがあり、熟練が必要である。

d0333343_20522182.jpg 軽トラにより「木の駅ひだか」に運び込まれたC材は、総量を計量し、帰りに風袋(荷を下ろした状態)を計量し、引き算して、運び込み重量を記録し、翌月にモリ券の発行を受ける。そのモリ券で晩酌を・・・という「木の駅ひだか」のオリジナル事業である。

木の駅ひだか(C材で晩酌を!事業)

d0333343_20524061.jpg 松本さんは、日常的に、皆が帰ってからも残業を続ける人である。写真は、丸和林業(株)にチップ材を運ぶため、C材を2tトラックに積み込む松本さん。この日、フォークリフトを操っていたのは伊東さん。
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◆5日目/11月22日

・「土佐の森方式の軽架線」を使った (成川順/報告・写真撮影/2013.11.22)

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 11月の副業型自伐林家養成塾の最終日は、「司牡丹の森」(佐川町)で、軽架線の実地練習をした。片岡指導員のアドバイスはあったが、第一軽架線を4名の研修生だけで運用した。

 養成塾も5日目ともなると、週日ということもあり、出席率は高くない。遠いところから記すと、金子―和歌山、中西―本山町、成川―いの町、西本―日高村、の4名がこの日の研修に出席した。私は、3日目の伐倒と同じく、林業経験10年の金子さんと中継地点を担当した。金子さんも軽架線は初めてなのだが、10年の林業経験がものを言うようで、状況判断と体の動きは素早かった。

【写真】下から上がってきた間伐材を横移動の第一軽架線に付け替えているところ。右は上がってきた間伐材を着地させる尾立さん(昨年度の養成塾・卒業者)、左は着地した間伐材のワイヤーを第一軽架線に付け替える金子さん(今年の養成塾・研修生)。

d0333343_21463031.jpg 土場で間伐材を下ろし、ワイヤーを外しているのは西本さん(左)。林内作業車を操作しているのは中西さん(右)。

土佐の森方式軽架線とは?

d0333343_21464639.jpg この日、須崎から助っ人に来ていた「林業女子」の中村さんいわく、「自宅に林内作業車があったので、子供の頃からやらされてました」

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・第4クール(12月)

◆月 日  : 平成25年12月21日(土)/22日(日)
◆場 所  : 日高村沖名「茂平の森」
◆内 容  : 自伐林家実践研修

*トピックス
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今回のテーマは『軽架線』
講師 : 片岡正法氏(木の駅ひだか駅長)

・詳しくはここから

・研修生出席者
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21日:長瀧、池、川端、成川、掛水、西本、金子、入江、藤田
22日:長瀧、池、川端、成川、掛水、西本、金子、森田、北野、入江

・スタッフ
片岡、松本×3、好永、田植、福留、

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■副業型自伐林家養成塾必携書

『バイオマス材収入から始める副業的自伐林業』(編著:NPO法人土佐の森・救援隊理事長中嶋健造氏)は、土佐の森方式の解説本です。出版元は「全国林業改良普及協会」でネットで購入できます。
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# by npo-tosanomori | 2013-11-17 19:07 | 副業型自伐林家養成塾

中嶋理事長の「自伐林業/全国展開奮闘記」 なう! <其の1>

 FBより

◆東京→岩手県盛岡市→宮城県仙台市→宮城県石巻市(平成25年11月末)

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 今回も、なかなか中身の濃い遠征になりました。
 東京では、早稲田環境塾から始まり、三井物産社有林室との意見交換会、いつも真剣勝負の林野庁との意見交換会、緊張する農林水産関係の衆議院議員との勉強会、研究PJの評価会議、南会津の方々との盛岡広葉樹市場【写真】の視察、石巻自伐型林業挑戦者との今後の作戦会議等々・・・(皆それぞれ濃い対応が必要で血圧上がりっぱなしでした。)

 今回の収穫は、
①大山林所有者である三井物産社有林室と対話が始まったこと。
②林野庁が少しづつ、こちらに近づいてきてくれていること。
③支援してくれる衆議院議員が増えつつあること。
④宮城県石巻市で自伐型林業挑戦者が出てきたこと。
⑤昨年の宮城県登米市での研修参加者中心に同県大崎市にて自伐型林業チームが森林経営計画を立案したこと。(自伐型林業チームが東北にて森林経営計画を立て持続的な林業展開が始まりました。新しいページが開かれましたね。あとに続く皆の勇気になると確信します。)

 その反面、いらいらすることもありました。
 ある研究PJの評価会議ですが・・・、
 PJに随時対応した有識者が評価するのではなく、第3者の有識者が評価する形になっていました。故に自伐林業の凄さが全く分からない人たちです。よく聞くフレーズですが「委託型大規模林業もあってよいし、自伐林業もあってよい。単なる林業の一方式であるので研究開発に値するのか」と言うのです。自伐型林業は、現行林業(委託型大規模林業)の持つ、持続的森林経営の消滅、環境破壊の誘発、就業力・雇用力の無さ、という問題点や欠点を解決する非常に優れた林業です。過去自伐型林業は日本にほとんど存在せず、新たな農山漁村の林業スタイルの研究開発です。現場で農山漁村の活性化に必死になっている人たちは、この自伐型林業の凄さを直感し対応始めています。故に中山間地域再生のキーと言ったり、中山間地域に人口還流を起こす可能性のある取り組みであり、開発領域であると言っているのです。

 優れた手法であれば、優先して実行しなればなりません。順序が大事です。その結果、双方が存在することはよいのですが、同じレベルで共存させるというものではないのです。順番を間違わないということは、とても大事なことです。

 しかし、現場にろくに来ない学者や有識者、3流の林業ジャーナリストたちは、自伐型林業の立ち位置や内容がわからないため、こういうことを言うのです。自らの理解の無さを露呈しているようなものです。

 これまでも、これからもこういう戦いが続くのだろうと思います。確実に理解者は増えつつあります。ありがたいことです。

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◆石巻自伐型林業挑戦者との今後の作戦会議(平成25年11月30日/宮城県石巻市)

 自伐型林業挑戦者との打ち合わせに参加された4人中3人が、大震災の津波では危機一髪の体験をされていました。

 打ち合わせ終了後の懇親会で、当日の津波の話になり、雄勝から参加の方は自宅で地震に合い、津波が来るということで近くの丘に避難したが、その丘に津波が上がってきて、丘にある木によじ登って何とか津波を回避したが、海水をかぶり寒さで本当に死にそうだったという。

 研修をおこなっている皿貝地区は、あの大川小学校の北上川を挟んで対面に位置するところだが、今日の参加者の一人はこの大川地区に当日おり、小学校の近くを皆と一緒に避難中に津波に襲われたとのこと。地域の中心者であった彼は、皆を誘導しながら高台を目指しているときに津波に襲われ、間一髪免れたが背中に波をかぶったとのこと。すぐ1m後ろを逃げていた仲間は、波にさらわれ亡くなったという。

 もう一人の若者は仕事で女川におり地震に遭遇。車で高台に逃げようとしたがあちこちで渋滞が発生、路地を縫いながら逃げていたが波が迫り、最後は車を捨てて走って高台に逃げ間一髪助かったという。

 皆、凄まじい体験をしている。被災し、家を失い、仕事を失い・・・、そんな皆さんが今「自伐型林業」で再起をはかろうとしている。こういう真面目な庶民に、支援の手はきちんと来るべきであろうが、どうも現実はそうではないようだ。しかし、我々が微力ながらこの人たちに到達している。何とか力になればと勇気もでる。

 皿貝チームはちょっと壁にぶち当たっている。彼ら仲間の山(約40ha)で自伐林業を展開しようとしていたが、森林組合が先に森林経営計画を立てていることが判明。行政と森林組合からストップがかかる形になってしまったのだ。

 山林所有者である彼らは委託契約をしたつもりなかったようだが、判を押してしまっていたのだ。契約は成立しているということだ。しかし、被災者である彼らが必死で自分の山で自立しようとしているのである。森林組合等は既得権益を、この場に及んでも出すのではなく、地域住民の必死の姿に耳を傾ける事が必要である。計画変更に応じ、共同経営なりにすべきである。どうしてもやるのなら下請けにという話も出ているようであるが、とんでもないことである。もっと山林所有者の方を向いた対応をすべきである。次の交渉がよい方向に行くことを祈りたい。

 我々も必死で対応しないといけないと改めて感じた。(中嶋健造/FBより)

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◆秋田県由利本荘市から宮城県気仙沼市へ(平成25年11月6日~12日)

 由利本荘にも自伐林家はおられました。

d0333343_5413077.jpg 山林面積や収入はあまり多くはないような感じでしたが、実に楽しんでやっているのが特徴でした。

 自給自足林業というような感じです。シイタケやナメコ、森林ツーリズム、林内作業車は、農業機械を改良した自作です。

 まさしく年金+αの趣味林業です。楽しみを目的にした自伐林業もありですね。高齢ではありましたが、実に元気でした。

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 気仙沼は自伐林業者養成研修の作業道研修です。

d0333343_5421492.jpg エネルギー利用の収集土場も見てきました。地域出荷者も80人になって来ると同時に、業者による収集も開始され始め、材の収集は順調です。

 年間利用量は8千トンで、その半年分の4千トンが集まっています。写真のようにかなりの量です。ちょっとびっくりするような量です。これで800kwhですから、1万kwhということは10倍以上です。その際この土場の材は半月もしないうちに使い切ってしまいます。

 この大規模発電の現実、やはり持続可能な感じはまったくしません。木材利用は、やはり熱で、地域分散型循環型にすべきだと強く思います。薪ボイラーシステムがベストです。発電は、気仙沼レベル(千kwh程度)を最大にすべきです。やはり今のFITには問題が多いのです。

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[コメント] 坂本昭彦氏

 まさにその通り!

d0333343_549554.jpg ドイツネタで恐縮ですが、知らない方も多いと思いますので説明しておきます。独では現在、日本のほぼ4倍近い素材生産量が有ります。当然バイオマス燃料向けのB/C材も大量に供給されている訳ですが、行政サイドの方針として、バイオマス発電などの新エネルギー向けには供給を抑制する様な政策がとられています。典型なのは、バイオマス発電による売電価格が、大規模施設では中小規模のほぼ1/3となっているのです。

 要するに、大規模な施設は建築廃材やゴミを使いなさいと政策誘導している訳です。その思想は、森林資源というのは有限な物だ、と言う意識が根底に有るそうです。限りある森林資源を粗末に扱うなんざ、とんでもないっちゅうことです。

 そして、中嶋さんが言うとおり、熱です!今独で流行りは、太陽”熱”温水器とバイオマス”薪”ボイラーを組み合わせたコンバインド・システムなんだそうです(もち、個人宅用です)。

 日本もこのまま、大規模な発電プラントをバカスカ造る様な無茶な事を進めれば、林業と同じく、世界の笑いものになってしまうことでしょう・・・ヤレヤレ。
【写真】坂本昭彦氏 FBより

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◆高知県佐川町(平成25年11月3日)

 土佐の森方式軽架線研修会(NPO法人土佐の森・救援隊)
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 土佐の森・救援隊主催の研修会に参加しました。(研修生は、地元の方が2名/地域おこし協力隊員&一般、東京から参加の方が1名/一般で地域おこし協力隊員希望の3名でした。)

 山の現場は相変わらず、何が起ころうと、淡々と間伐をして、搬出をしています。作業道の入っていない約2haの山林で搬出していますので、いろいろ工夫(軽架線を2セット架設、補助線使用バージョンなど)をしています。

 雨のため午後2時前には終了となりましたが、A材(用材)を2トン車1台、C材を軽トラ2台分の出荷です。

 久々にモリ券をゲットして帰路に着きました。変わらぬものは、何となくホッとしますね。

【写真】久々に地元高知での研修会に参加した中嶋理事長(司牡丹の森/佐川町2013.11.3)
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◆和歌山県龍神村から島根県益田市へ(平成25年10月19日~21日)

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 和歌山県龍神村に行ってきました。「NPOわかやま環境ネットワーク」の主催の研修会です・・・
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【写真】研修会パンフレット(NPOわかやま環境ネットワーク)

 この研修会には、NPOの方はもちろん、和歌山県庁、近隣自治体、特に森林組合の方々が大勢参加してくれました。地元の龍神森林組合からは組合長、さらに自伐林家の方々も参加され、近隣からは、みなべ川森林組合から13人、かつらぎ森林組合からも若手が参加してくれ、高野山寺院の森林組合からの参加もありました。この寺院森林組合はどうも自伐林業のような感じでした。みなべ川森林組合は自伐林業展開することを宣言されていますし、かつらぎ森林組合の若手も自伐林業を模索しております。和歌山県森連の専務理事も自伐林業家からの市場出荷を強く望んでおります。(中嶋)

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a0051539_2048302.jpg 島根県益田市です。龍神村も遠かったですが、益田も遠いですね。

 益田市は市有林を活用しながら、市あげて自伐林業推進を実施するべく検討に入りました。

 今回はその第1回目でした。山本市長さんも、市議会議員さんもたくさん話を聞きに来てくれました・・・
【写真】益田市「産業経済部林業水産課」

◆益田市産業経済部主催の研修会。

 高知県のNPO法人土佐の森救援隊の理事長中嶋健造さんが講師です。

 今年2月に益田に来られた時にお話をお聞きし、6月の市議会一般質問で中嶋さんの自伐林業方式を取り入れることを提案しましたが、担当課もちょうど取り組みを内部で考えていたということで早速の研修会となりました。

 益田市はこれから中嶋さんをアドバイザーとして本格的に山林の活用促進を目指します。(河野利文氏/益田市議会議員「FB」より)
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[コメント]

 益田市は自伐林業推進を自治体あげて実施することになりました。その中核課が産業経済部林業水産課です。市有林を活用しながら、民有林展開をおこなう計画です。出口対策としての薪ボイラー導入も併せて実施する予定です。

 自伐林業推進の自治体先進事例となった高知県仁淀川町は、残念ながら離脱してしまいましたが、宮城県気仙沼市がいち早く導入し、今回益田市が続きました。益田市の隣の津和野町も続くべく役場職員が奮闘してくれています。来月には仁淀川町の下流の佐川町が続いてくれそうです。

 和歌山の、みなべ川森林組合も全面的に自伐林業推進を行うと、全国初の森林組合対応事例が始まっています。

 様々な組織体による自伐林業推進が始まりました。加速することを期待しましょう。(中嶋健造)
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# by npo-tosanomori | 2013-10-23 17:37

レポート③:中嶋理事長

高知県佐川町長に堀見氏

・新聞記事から(2013年10月7日/高知新聞)
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[レポート]

◆中嶋健造:NPO法人土佐の森・救援隊理事長(2013.10.7)

 高知県佐川町長選挙が行われ、新人の堀見和道氏が圧勝しました。

 堀見氏は従前から自伐林業に興味を持っており、佐川町長選では自伐林業を林業政策として公約しました。全国で初めて自伐林業政策を公約化した町長が生まれました。林業にとって、新しい時代の幕が開いたかもしれません。まずは、高知県下に自伐林業が流布する前兆になってほしいものです。

 ガンバレ!堀見町長。
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・佐川町/司牡丹の森で行われている「土佐の森方式による森林整備(NPV)活動」
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【写真】天城林業(静岡県)のメンバーによる軽架線研修会(司牡丹の森/2013.5.13:写真撮影は中嶋健造氏)
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# by npo-tosanomori | 2013-10-08 07:26

シンポジウム  自伐・小規模林業の意義と可能性

■新聞記事から(2013年9月27日/高知新聞)
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[詳細] 
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[レジメ]

本当の林業再生と中山間地域再生のキー「自伐林業」
   中嶋健造(NPO法人土佐の森・救援隊理事長)

シンポジウムを聴いて
   泉 英二(愛媛大学名誉教授)


<参考>

自伐林業推進フォーラムを開催(NPO法人土佐の森・救援隊/2013.5.18)

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[レポート]

◆中嶋健造:NPO法人土佐の森・救援隊理事長(2013.9.29)

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 平成25年9月28日、高知市の四国森林管理局にて、国民森林会議の主催で「自伐・小規模林業の意義と可能性」というシンポジウムを行いました。

 今回のシンポジウムは、議論された内容はもとより、NPO法人土佐の森・救援隊以外の団体(特に学識者の学会とも言うべき団体)が「自伐林業を評価するシンポ」を開催し、その開催場所が林野庁の地方出先機関・森林管理局ということが重要です。自伐林業の推進も、次のステップに入り始めた感があります。

 毎日、自伐林業の推進にカメのように歩んできたことが、徐々に伝わり始めたようです。これからも、反論や妨害も出てくるでしょうが、成果は確実に上がりつつあります。

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 翌日は、徳島県那賀町臼ヶ谷の橋本光治さんの「自伐の森・見学会」でした。初めて「自伐の森」を見た方々は、やはり驚きを隠せないようでした。経済的に成り立つ持続可能な自伐林業が、環境保全型再生型林業であることが一目瞭然にわかったことでしょう。百聞は一見にしかずです。全国に、この橋本さんに続く自伐林業家たちを育てていきたいと考えています。

◆高知で開催されたシンポジウム「自伐・小規模林業の意義と可能性」の後・・・

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 国民森林会議の方々らが橋本さんの林地の視察に来られた。論文や教科書をとおして森林生態学を学ばせてもらった只木先生もいて、ちょっと感激。

 徳島に帰ってからは、中嶋さん(NPO法人土佐の森・救援隊)や家中さん(鳥取大)と林業の場でのマーケッティングのあり方とその必要性についての議論。刺激的な一日でした。(鎌田磨人:徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部)

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 徳島県那賀町の橋本林業の山林を見学。

 幅2.3m前後の高密度な路網(100haに30km)に支えられた持続的森林経営について、地域環境学ネットワーク、地域環境知プロジェクトILEKで知り合った仲間たちと学ぶ。(家中茂:鳥取大学地域学部)
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# by npo-tosanomori | 2013-09-24 21:29