自伐型林業推進協会設立総会&シンポを開催

a0051539_5532563.jpg 大震災発生、消滅自治体論や豪雨頻発による災害等により、本気で林業再生、地域再生、環境保全、土砂災害防止を考えなくては行けなくなった現在、自伐型林業がクローズアップされてきました。

 これはやはり時代の要請なのだと感じながら、運営しないといけないと思っています。

 皆さんのご協力を得ながら行きたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。(中嶋健造/自伐型林業推進協会代表)

設立記念シンポジウム

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■NPO法人持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会設立総会(2014.6.12/全国町村会館・永田町)
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 1)現場に即した多様な自伐型林業の実装、
 2)普及のためのマニュアル作り、
 3)組織体制の確立、
 4)政策提言、

 を当面の目標として活動を展開したいと熱く語る中嶋理事長。


設立趣意書

自伐型林業推進協会HP

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[役員一覧]

理事
中嶋 健造(代表理事/NPO法人 土佐の森・救援隊)
鶴見 武道(副代表理事/愛媛大学)
家中 茂 (副代表理事/鳥取大学)
橋本 光治(橋本林業)
甲斐 良治(一般社団法人 農山漁村文化協会)
松村 和則(筑波大学)
四宮 成晴(NPO法人 土佐の森・救援隊)
笠松 浩樹(愛媛大学)
西岡 千史(THE JOURNAL)
上垣 喜寛(事務局長/THE JOURNAL)

監事
河村浩靖(公認会計士・税理士)

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■自伐型林業推進協会設立記念シンポジウム

・日 時 : 平成26年6月12日(木)14:30~
・場 所 : 全国町村会館 ホールA
       東京都千代田区永田町1丁目11-35

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◆自伐からひらく林業新時代(2014.6.12/全国町村会館・永田町)
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 盛況です。熱い人達が色々います。(山口勝洋氏/FBより)
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d0333343_18432370.jpg 新藤義孝・総務大臣、坂本哲志・衆院農林水産委員長、中谷元・自民党農林水産戦略調査会長、沼田正俊・林野庁長官も来られていて、自伐型林業への期待と応援を表明。

 その後のリレートークでは、清光林業株式会社、NPO吉里吉里国、気仙沼地域エネルギー開発株式会社、シマントモリモリ団・サンゴと森の救援隊、みなべ川森林組合、菊地林業から、それぞれの目標、具体の...取り組み紹介。それぞれに自伐林業を始めた背景も、歴史も、現状も、これからも違っているけど、皆、熱いし、楽しんでいる。そして、将来を活き活きと語ってらっしゃる。とてもいい。

 芳賀さん(NPO吉里吉里国)は、「津波直後、まわりを見回すと山しかなかった。助けられた生命を吉里吉里の里山に捧げようと決めた」。それから森に関わり始め、希望の薪を届けてきた。これからは、森の次世代を担う子どもたちを育て、そして、海と協働する林業としていくのだとの決意。

 シマントモリモリ団の秋山さん、宮崎さん、サンゴと森の救援隊の浜口さん、着々と挑戦し続けてる。楽しそうだなぁ。

 松本さん(みなべ川森林組合)が語る、中核森林組合と小規模森林組合の住み分け・役割分担はとても大事だと感じる。中核森林組合は大規模集約型林業としての搬出間伐に特化し、そして小規模森林組合は、皆伐、薪づくり、炭焼き、搬出間伐、椎茸栽培等からなる小規模分散型林業を複合的にやっていく。森を育て、木を使う知恵や技術が残るのは複合的小規模林業なんだな。(鎌田磨人氏/FBより)

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d0333343_2129587.jpg 自伐林業推進協会設立記念シンポジウムと、これからの自伐林業に向けての意見交換会が終了しました。

 NPO法人土佐の森・救援隊の中嶋さん、徳島の自伐林家の橋本先生、吉野林業の岡橋先生、素晴らしい先生方、これからの日本の林業をわくわくする林業に変えるメンバーです!

 シマントモリモリ団の宮崎聖さんと、土佐清水のサンゴと森の救援隊の浜口和也さんとで、「林業は誰でもできる! 若者が林業に新たな形で入っている!」と、全国にアピールできたと思います。(秋山梢氏/FBより)

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 昨夏から仕込んできた新たな組織(自伐型林業推進協会)が始動しました。林業家や学者、ジャーナリスト、自治体などが「自伐(じばつ)」というキーワードで全国から集いました。6月12日、いよいよ“林業新時代”の幕開けです。

 「100年先への恩送り」そんなタイトルの4ページ記事を書いたのは昨年の2013年1月のこと。初めて林業をテーマにした原稿でした。岩手県大槌町の吉里吉里(きりきり)で被災した元漁師などそれまでチェンソーを握ったことのない地域住民らが、「後ろを振り返ったら山があった」と山に向かい木を切...り出しました。

 「上垣くん、今は50年前に木を植えた人たちの恩をいただいて仕事ができている。今度は俺らが森をつくり、100年後の未来に恩を送る番。いいべ」自伐型林業グループ「吉里吉里国」代表の芳賀正彦さんの忘れられない言葉でした。

 すごいなぁ、自伐型林業。初めての人でもできるんだ…。なんてことを思っているうちに、いつのまにか新組織の事務局になり、その芳賀さんや、被災地の林業を強力にサポートしてきた高知の中嶋健造さん(NPO法人土佐の森・救援隊理事長)らとともに活動するようになってました。

 「持続可能な環境共生林業林業を実現する自伐型林業推進協会」の始まり始まり。老若男女みんないい顔してます。(撮影してくれたのは林業大好き写真家の高木あつ子さん)

d0333343_20584547.jpg さらに6月22日(日)18時から、その自伐型林業で活躍する女性林業家・秋山梢さんらの特集番組(BS11)を放映します。こちらはジャーナリスト業です。撮影、台本、ナレーションやっとります(正確にはこれから追い込み)。20分以上の枠なのでぜひ見てください。(自伐型林業推進協会事務局長・上垣喜寛氏FBより)

特集:自伐型林業(BS11)

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 林業で食っていくことは、そんなにむつかしくないよ。この女性(秋山梢氏)も林業2年目。自分で自分が持っている山を自分で考えながら環境保全型林業をする、このことを自伐(ジバツ)という。小規模林業が里山を復活させる!(工藤清敏氏/FBより)

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 自伐型林業推進協議会設立記念シンポジウムへ参加して

 今、林業は危機に追いやられ、TPPなどでは、農業も林業のようにするのかなどと衰退した一次産業の象徴のように扱われています

 そこへ一石を投じたのが自伐型林業です。大規模な(森林組合への)委託型皆伐林業ではなく山の手入れをしながら山を森を育てる林業です。しかも、投資も一人400万程度で始められ大切なことは「専業林業家」ではなくてもいい。年収200万~300万で良い。というものです。

 逆に、兼業林業を前提にするからこそ、中山間地域の9割近くを占める山林を生業に出来き中山間地域人口を維持できるという新しい考え方です。

 正直、私も本当に成功するなら素晴らしいモデルケースだと思います。

 現実に、地方行政を管轄する新藤総務大臣、そして、農林水産委員会の坂本委員長(元総務副大臣)そして、林野庁長官と森林行政だけでなく地域行政も応援しているというのが魅力です。

 まだまだ、研究が必要ですが、森林行政に一筋の明かりを感じます。(衆議院議員・井林たつのり氏/ブログより)

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■シンポジウムの模様/中継録画(自伐型林業推進協会事務局)

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■新聞記事から(2014年6月13日/高知新聞) 

 NPO「土佐の森・救援隊」(吾川郡いの町)が先進的に取り組んでいる「自伐型林業」の普及を目指す全国組織「自伐型林業推進協会」が発足し、東京都内で12日に設立シンポジウムを開いた。推進協の代表理事に就いた同救援隊の中嶋健造理事長は「自伐型林業を広め、林業再生、地域再生へ頑張ろう」と呼びかけた・・・続きはここから
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【写真】「『林業は儲からない』『林業は自分ではできない』という一般観念がずっとあったのではないか」設立趣旨説明をする中嶋健造(代表理事)

 「NPO法人 持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会」の設立記念シンポジウム「自伐からひらく林業新時代」が6月12日、全国町村会館(永田町)で開催され、当日は全国各地から約210名が集まりました。

 自伐(じばつ)型林業とは、限られた森林の永続管理と、その限られた森林から持続的に収入を得ていく林業で、経営や管理、施業を自ら(山林所有者や地域)おこなう自立・自営型の“普通”の林業です。自伐型林業推進協会は、そんな自伐型林業に可能性を感じた地域や、すでに取り組んでいる人びととつながりながら、推進・展開していこうと呼びかけ集まりました。

 シンポジウム当日は、当会の設立趣旨説明(中嶋健造代表理事)が行われたあと、国会議員や諸官庁からメッセージ、そして各地からの活動紹介へと続き、パネルディスカッションを行いました・・・続きはここから(自伐型林業推進協会HPより)

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[メッセージ]

 全国から自伐型林業に取り組んでいる多くの有志の方が参集して、とても心強く感じました。林業の成長産業化が唱えられ、大型の高性能林業機械を導入し、施業委託の推進による経営規模の拡大が進められていますが、日本林業の再生にはそれだけではだめだと思います。たとえ規模が小さくとも、自らの手で、自らの森林において、主体的に林業に取り組もうとする皆様の取り組みが、横の連携を取りながら全国に広がっていくとき、きっと活力ある新しい日本林業の地平線を切り開いてくれるものと篤く期待しております。(上河潔氏/日本製紙連合会) 
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      (2014年6月13日/高知新聞・夕刊) 

■土佐の山間から――始まりへの予感(家中茂氏/鳥取大学准教授)

 2013年7月8日、高知県いの町吾北、通称「633美ハウス」と呼ばれる小さな木造家屋に、20名余りの人びとが向き合っていた。

 一方に、総務大臣・新藤義隆、衆議院議員中谷元、総務省地域力創造審議官・関博之、林野庁森林利用課長・原田隆行、高知県副知事・岩城隆章、高知県林業振興・環境部長・田村壮児らが、もう一方に、NPO法人土佐の森・救援隊・中嶋健造、・・・続きはここから
<『林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来』第4章運動としての自伐林業─地域社会・森林生態系・過去と未来に対する「責任ある林業」へ(出版:農山漁村文化協会)より>

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[ひとくちメモ]

◆自伐型林業とは・・・

 限られた森林の永続管理と、その限られた森林から持続的に収入を得ていく林業です。森林の経営や管理、施業を自ら(山林所有者や地域)行う、自立・自営型の実に普通の林業です。収入アップのためには、木材の質の向上や、森の多目的活用を目指すため、森を良好に維持していくことは必須条件となります。故に収入をあげる施業と良好な森づくりを両立させる、地域に根ざした非常に優れた環境保全型林業といえます。(「自伐型林業推進協会設立趣意書」より)

◆自伐型林業のための必携書

『バイオマス材収入から始める副業的自伐林業』(編著:NPO法人土佐の森・救援隊理事長中嶋健造氏)は、自伐林業の解説本です。出版元は「全国林業改良普及協会」でネットで購入できます。
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◆自伐林業についての本を刊行しました(家中茂氏/理事・鳥取大学准教授)

a0051539_205093.jpg 『林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来」です。そのなかの、第4章「運動としての自伐林業─地域社会・森林生態系・過去と未来に対する『責任ある林業』へ」を担当執筆しました。

1 土佐の山間から――始まりへの予感
2 日本の森林の現実と研究及び政策との乖離
3 NPO法人「土佐の森・救援隊」を淵源とする「自伐林業」運動の全国への波及
4 自伐林業運動の展開
5 未来につなげる「責任ある林業」

あらまし

ボランティアの心(家中先生のモリ券体験)
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◆この本は・・・

a0051539_532107.jpg 林業政策・林業経済学を専門とされている佐藤宣子さん(九大)、興梠克久さん(筑波大)との共編著です。三人三様の視点、調査研究手法によって、自伐型林業の可能性について浮き彫りにすることができたのではないかと思います。

 そのことを汲み取って、本の編集を担当して下さった甲斐良治さん(農文協)が、『林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来』というタイトルをつけてくれました。

 私自身は、これまで、沖縄のサンゴ礁や離島をフィールドに、海と人とのかかわり、そして、「コモンズ」の生成について考察してきましたが、NPO法人 土佐の森・救援隊に出会ってから、急速に、森林・林業のあり方、それも、具体的な林業経営や林業施業技術に関心をもつようになりました。

 そのなかで、自伐林業の担い手に注目しながら、大槌町吉里吉里、気仙沼、遠野など、東日本大震災被災地での生業創出、あるいは、高知の仁淀川流域、四万十川流域での自伐林業へのUターン・Iターンの新規参入のようす、そして、高知県佐川町、島根県益田市の自治体政策としての推進や広島県北広島町の生物多様性戦略における位置づけについて紹介しています。

 また、土佐の森・救援隊がNPO法人設立当初から自伐林業を目指した経緯や、徳島県那賀町の橋本光治さんの永続的な林業経営や林業施業(山づくり、道づくり)について学んだことを記しました。(家中茂/FBより)

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林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来」(シリーズ地域の再生/第18巻)

 大規模・高投資・高性能機械で材価も環境も破壊する集約化政策を超え、小規模・低投資・小型機械で仕事をおこす。

 本体価格:2600円+税 判型:四六
 著者:佐藤宣子・興梠克久・家中茂著
 出版:農山漁村文化協会(農文協)

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[解説]

1章では佐藤が林業経済学の立場から農林業センサスで「自伐林業」の抽出を試み、「自伐林家」の政策的な位置づけを考察。また、専業的な農林家の活動を多角的に紹介することで、「自伐林家」が果たしている山村社会での役割の大きさを指摘。2、3章では同じく林業経済学の立場で興梠が「自伐林業」を林業展開の2つの道の一つとして捉えるとともに、林家グループの新たな組織化の動きに社会性の観点から注目。4章では環境社会学者の家中が、「土佐の森・救援隊」はじめ多くの「自伐林業」運動の現場に参加、うねりの動的把握に努めた。

[著者]

佐藤宣子(さとう・のりこ)
九州大学大学院農学研究院森林政策学研究室 教授

興梠克久(こうろき・かつひさ)
筑波大学生命環境系森林社会学研究室 准教授

家中 茂(やなか・しげる)
鳥取大学地域学部地域政策学科 准教授

[目次]

第1章 地域再生のための「自伐林業」論
1 「自伐林業」論の背景  
2 再生プランの論争点――山村振興と「自伐林家」の位置づけ
3 農林業センサスからみる「自伐林家」の素材生産と農業生産との関連
4 専業的な「自伐林家」が輝く山村
5 補論 林業分野での女性活動の実態と可能性――自伐林業を地域再生に繋げるために
6 まとめにかえて――「自伐林業」の可能性

第2章 再々燃する自伐林家論――自伐林家の歴史的性格と担い手としての評価
1 本章のねらい 
2 農林複合経営の特徴――持続性視点
3 低コスト林業への「二つの道」――生産性視点
4 林家経済論の展開と第3の研究視点――社会性視点
5 自伐林家は日本林業の担い手か?――静岡県における実証的研究
6 森林所有者の「責務」と「楽しみ」――高千穂森の会

第3章 自伐林家による林地残材の資源化――「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」を事例に
1 研究の目的と方法
2 「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」の仕組み
3 「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」の類型区分と活動実態
4 「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」の課題と展望

第4章 運動としての自伐林業――地域社会・森林生態系・過去と未来に対する「責任ある林業」へ
1 土佐の山間から――始まりへの予感
2 日本の森林の現実と研究及び政策との乖離
3 NPO法人「土佐の森・救援隊」を淵源とする「自伐林業」運動の全国への波及
4 自伐林業運動の展開
5 未来につなげる「責任ある林業」

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[参考]

■シリーズ地域の再生(全21巻)発刊にあたって(農文協)
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 基本理念―地域に生き、地域を担い、地域をつくる人びとのための実践の書

 今、私たちの行く手には暗雲が立ち込めているように見えます。

 私たちは、「近代」の行き詰まりともいえるこの危機を、根本的に解決する主体は国家や国際機関ではなく“地域”だと考えています。

 都市に先んじてグローバリズムと新自由主義に翻弄された農山漁村は、すでに元気と自信を取り戻しつつあります。その元気と自身は、近代化=画一化の 方向ではなく、地域ごとに異なる自然と人間の共同性、持続的な生き方、自然と結んだ生活感覚、生活文化、生産技術、知恵や伝承などを見直すことによっても たらされたものです。

 また、近代的“所有”や“業種”の壁を乗り越えた、流域連携や農商工連携による新しい仕事おこしも始まり、それを支援する官民の動きも活発になって きました。農山漁村における地域再生の芽が意味するものを学ぶことで、都市における地域も再生への手がかりをつかむことができるのではないでしょうか。

 人びとがそれぞれの場所で、それぞれの共同的な世界としての“地域”をつくる――私たちは、そこに希望を見出しています。

 危機と希望が混在する現在、地域に生き、地域を担い、地域をつくる人びとのための実践の書――地域再生の拠りどころとなるシリーズをめざします。
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# by npo-tosanomori | 2014-06-13 20:44

自伐型林業の現地視察

■壊れない道づくり研究会(高知県佐川町/2014.4.15)

 大橋慶三郎さんの流れを汲む林家の皆さんが軽架線の研修(視察)に来られました。徳島の橋本光治さん、奈良県の岡橋清元さんら高弟が引率。プロの林家に大いに関心を持って頂きました。
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「道づくりの施工技術」岡橋清元著

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[中嶋レポート]

◆「壊れない道づくり研究会」の視察

a0051539_1953720.jpg いわゆる「大橋学校」の皆さんがNPO法人土佐の森・救援隊がすすめる自伐型林業の現地視察に来られました。

 会長は奈良の清光林業の岡橋清元会長です。徳島の橋本さんも、この会のメンバーです。他、岡橋清隆さん、京大名誉教授の竹内さん、遠くは東京檜原村の田中さん、他全国のメンバーが20人来られました。

 事務局は和歌山龍神村の野村さんでした。

 皆さん林業のプロたちですが、あらためて自伐型林業を勉強していただきました。みなさん納得いただいたのではと思います。

 特に岡橋会長、岡橋清隆さんは、よく理解してくれ、新たな組織である自伐型林業推進協会の正会員になっていただく約束ができました。

 2日目は、自伐林業展開2年目の佐川町の谷岡君の施業地(谷岡少年の森谷岡青年の森)を視察しました。まだまだ未熟なところはありますが、2年目でこれだけやれるという自伐型林業の参入容易性を見ていただきました。いろいろ意見や励ましの言葉をいただき谷岡君も勉強になったのではと思います。

 その後、懇親会の折「軽架線を見たい」との要望があり、急遽佐川町の「司牡丹の森」で「土佐の森方式軽架線」のデモをおこないました。

 さすが会員の皆さん、自伐林家もおられるし、それに近い人たちですので、軽架線の有効性を認めていただきました。この中から使う人も出るかもしれませんね。

 とにかく、とてもいい視察会になりました。おそらくここの研究会のメンバーは自伐型林業の理解者、推進者になっていただけるのではと思います。(中嶋健造/NPO法人土佐の森・救援隊理事長)

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■富山県議会山村振興議員連盟(高知県佐川町/2014.5.20)

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 座学は佐川町役場をお借りし、冒頭では堀見佐川町長に新設の「チーム佐川推進課」などについて説明をしていただきました。

 自伐型林業に県議会議員も興味を示すようになりましたね。雨でしたが軽架線による搬出デモも見ていただきました。

 佐川町は自伐型林業に腰を据えて取り組む政策を打ち出しておりますので、その町長に会い、現場を見るという行為はさらに迫力を増してくると思います。佐川町への自伐型林業視察は今後さらに増えそうです。昼食も「大正軒」で食べ、皆さん大満足のようでした。

 富山県は南砺市もあります。何とか自伐型林業導入となってほしいものですね。山瀬さんよろしく!武田さんも来られてました。(中嶋健造/理事長)

◆軽架線研修会(主催:NPO法人土佐の森・救援隊)

・月 日  : 平成26年5月20日(火)
・場 所  : 佐川町「司牡丹の森
・内 容  : 土佐の森方式軽架線研修会
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【写真】富山県議会 山村振興議員連盟様御一行様(11名)雨天の中、司牡丹の森に土佐の森方式軽架線の視察(研修)に。説明は中嶋理事長(中央)、現場指揮は田植軽架線研修担当理事(左端)

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[視察レポート] FBより(武田慎一氏/ 富山県議会教育警務常任委員会)

・富山県山村振興議員連盟が視察(5月20日 高知県佐川町役場)
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 NPO法人土佐の森・救援隊の理事長 中嶋健造氏より、自伐林業についてレクチャーをいただいております。

 若い、堀見和道町長にも、ご挨拶いただきました。

 前日の19日には高知県議会を視察しました。
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 ここでは、高知県の林業政策について、学んでおります。環境にも関連付けされております。

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[参考]

国会議員による視察

・若手国会議員の視察(平成26年5月26日/中嶋健造氏FBより)
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 中堅若手の国会議員の方々が自伐型林業の視察に来られました。高知県佐川町役場にて自伐型林業の情報提供(下記資料参照)をおこなった後に同町の谷岡君の山(谷岡青年の森)を視察しました。自伐型林業を始めて、わずか2年目の若者が真摯に自伐林業に取り組む様子にみなさん驚いておりました。自伐型林業への参入の容易性、またその広がりに皆興味を持たれたことと思います。佐川町長にも挨拶いただき良い交流になりました。彼らが国への働きかけを強化してくれることに期待したいですね。その後、林業の6次産業化を実践する安藤さん(木の瀬森林整備組合)を視察しました。自伐型林業、じわじわと国会議員の皆様にも浸透しております。(中嶋)

*資料:自伐林業推進フォーラム(レジメ)
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# by npo-tosanomori | 2014-05-28 05:52

自伐型林業推進協会の設立記念シンポジウム

 NPO法人 持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会・設立記念シンポジウムが、6月12日(木)全国町村会館(東京)にてひらかれます。

 なんと、全国から参加申込がすでに150名をうわまわっているとか。

 各地の報告をされる方々の顔ぶれがすごい!

 奈良県吉野の清光林業、岡橋清元さん(農林水産祭で天皇杯受賞。大橋式作業道「壊れない道づくり」の本も最近出版されています)...

 岩手県大槌町のNPO法人吉里吉里国、芳賀正彦さん(東日本大震災津波被害を経て、「復活の薪」から自伐型林業による生業づくりへと歩みを進めています)

 宮城県気仙沼市の気仙沼地域エネルギー開発株式会社、小野寺誠さん(東日本大震災から自然再生エネルギーへと、小規模木質バイオマス発電に取り組み、稼働も間近)

 高知県四万十市のシマントモリモリ団、宮崎聖さん・秋山梢さん(NPO法人土佐の森・救援隊の「副業型自伐林家養成塾」に学び、いまでは、小型ユンボでの作業道づくりもこなして、自伐型林業を始めています)

 和歌山県のみなべ川森林組合の松本貢さん、愛媛のみかん生産兼業の菊地修一郎さんのご報告も。その他、各地において自伐林業を実践されている方々が集まります。

 自伐型林業が、誰でも取り組むことができ、しかも、持続可能な森林保全型林業であると同時に、経営的にも十分成り立つことを、これら各地の実践が教えてくれると思います。(家中茂氏/FBより)
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※自伐型林業推進協会の設立記念シンポジウムの詳細、事前申込みは「自伐型林業推進協会」HP参照

自伐型林業推進協会HP
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# by npo-tosanomori | 2014-04-24 21:52

高知県佐川町の自伐型林業

 高知県佐川町の「自伐型林業」は平成25年年10月6日の佐川町長選挙で林業分野で「自伐林業/土佐の森方式へのチャレンジ」を公約に掲げた堀見和道氏が対立候補に大差をつけて当選したことから始まりました・・・続きはここから

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 今日(平成26年4月1日)から新年度がスタートです。

 佐川町のまちづくりを、町民の皆さんと一緒になって、楽しく取り組んでいきます。その核となる組織、チーム佐川推進課が今日から活動を始めます。(堀見和道佐川町長/FBより)

自伐林業推進講演会in佐川町

(チーム佐川推進課には、NPO法人土佐の森・救援隊の林業女子戸梶友子氏、及び東京から佐川町地域おこし協力隊に応募した森援隊の佐瀬耕二郎氏が参加します。)

・佐瀬耕二郎氏のブログ「佐川町の自伐型林業だよ~

◆自伐型林業研修会

【第1クール】
[研修1] チェーンソー研修(7月5日、6日)
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・詳しい内容は、ここから(新聞記事から/高知新聞2014.7.9)

[研修2] 伐倒・搬出研修(7月19日、20日)

[研修3] 作業道敷設研修(8月2日、3日)

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[トピックス]

 佐川町の「自伐型林業」が動き出しました。地域おこし協力隊の5人の男たちが立ち上がったのです!「林業の新たな形を示す」と宣言しています。荒れた森の救世主になれるかーーー。

■キコリンジャー(佐川町)
 
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 山林所有者らが山を自ら手入れする「自伐型林業」で、地域振興を目指す佐川町。その一翼を担うためカラフルな作業着を身にまとう男たちが立ち上がった。その名も「さかわ戦隊キコリンジャー」・・・続きはここから

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[関連情報]

・新聞記事から(2014年2月14日/高知新聞) 土佐あちこち
・新聞記事から(2014年3月1日/高知新聞) 佐川町①
・新聞記事から(2014年3月9日/高知新聞) 佐川町②
・新聞記事から(2014年3月9日/高知新聞) 佐川町③
・新聞記事から(2014年5月14日/高知新聞) チーム佐川課
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・新聞記事から(2014年3月9日/高知新聞) 佐川町④
・新聞記事から(2014年3月10日/高知新聞) 視察激増
・新聞記事から(2015年1月1日/高知新聞) 今年のイチ押し
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広報さかわ5月号 (NO491/2014)
広報さかわ6月号 (NO492/2014)

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[広報さかわ5月号/2015]

■「木質バイオマス認証材証明書」発行の説明会を開催(佐川町)
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                        「広報さかわ5月号」より 

 認証C材の受け入れについては、近い将来、佐川町が地域おこし協力隊自伐型林業チームの業務として行うことを検討していますが、それに先立ち佐川町の自伐型林業を支援している「NPO法人土佐の森・救援隊」が実験事業(試行)を行うことになりました。
 
 自伐型林業を推進するうえでの課題の一つとして、佐川町自伐型林業推進協議会(会長:四宮成晴氏)がシステム設計を検討/企画、具体的な運営は日高村でC材の買い取り業務などを行っている「木の駅ひだか」が受託(受託経費はゼロの完全受託です。「木の駅ひだか」は完全受託のため「自伐型林業方式」ではなく「土佐の森方式」で行います。)

 説明会では四宮会長が「証明書の発行にかかる要件、手続き」等とともに、「木の駅ひだか」の買い取り条件なども説明、木の駅ひだかへの搬入(「木の駅ひだか」のS会員となります。)を呼びかけました。
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# by npo-tosanomori | 2014-04-23 05:48

資料 自伐林業②

シンポジウム  自伐・小規模林業の意義と可能性

[記録/私的感想]

◆シンポジウムを聴いて

     泉 英二(愛媛大学名誉教授)

d0333343_16145947.jpg 今回のシンポジウムには記録役を任され出席した。報告者の方々は発表時間が限られていたため意を尽くせなかった面もあったと思われるが、配付資料がたいへん充実していたので、こちらも併せれば趣旨は十分に伝わったと思われる。

 また、討論は白熱したやりとりが続き、いくつかの重要な論点が提示された。以下、今回のシンポジウムを聴いた私的な感想を述べてみる。


1、中嶋健造氏らの自伐林業論と研究者の見解

 中嶋氏らの主張はきわめて明快である。まず、日本の林業を、「施業委託型」と「自伐林業型」に区分し、国が積極的に推進している「施業委託型」については、①高投資・高コストである、②地域雇用力が低い、③皆伐を含む荒い施業が必然となり、山を荒らす、④連年収入が得られない、⑤前提となる集約化が困難である、といった問題点を挙げ、国の方向は根本的に誤っているとする。

 他方で、「自伐林業型」は、①低投資・低コストである、②地域雇用力は一〇倍以上、③間伐中心の長伐期で、環境保全的にも良い、④連年収入が得られる、⑤農業との兼業も容易である、⑥林業技術が小規模なので新規参入が容易である、⑦木質バイオマスエネルギー利用にも適合的、といったことで、林業的にもまた山村社会を持続させるためにも優れた方法であると主張した。さらに、「自伐林業」のやり方は、これまでの「家族経営型」だけでなく、「集落営林型」(集落の山林をまとめ、集落で経営)や、「大規模山林分散型」(大山林所有者(個人、企業、自治体、国)の山林を自伐林業ができる単位に分散化して経営)、などを開発中とのことである。

 このような中嶋氏らの主張に対して、佐藤宣子氏は、2005年及び2010年の世界農林業センサスの組換え集計に基づいて、自伐林家が素材生産シェアの二割弱を占めており、しかもそれがこの五年間で大幅に増加していることを明らかにした。これは中嶋論を大いに補強するものと評価できる。松本美香氏は自伐林家の活動実態を明らかにすべく、原木市場調査、林家聞き取り調査等を実施したが、明確な展望を描けるデータは得られなかったとする。

2、討論

 討論では、自伐林業の動き自体を否定する意見は出なかった。しかしいくつかの疑問・意見が表明された。①自伐林業を析出する基盤は崩壊したのではないか。山村はそこまで弱っている。②自伐林業方式で、地域や日本の森林全てを管理することは不可能ではないか。森林組合や第三セクター等の役割はそれなりにあるのではないか。③自伐林業では利益が出るというが、それは自分の身体を切り刻んで得た労賃部分にすぎないのではないのか。自伐でも請負でも林業が成立する価格水準を実現することが根本問題ではないのか。

 討論で出された論点はいずれもそれぞれに重要であり、今後さらに議論を重ねる必要がある。

3、私の感想

 中嶋氏らは自伐林業論を通じて、①森林・人間関係論、②森林施業論、③林業技術論、④林業経営論、⑤普及論、⑥地域論、⑦森林・林業政策論、などにまたがる多面的な問題提起を行っている。氏らの林業をめぐる在り方の主張は、きわめて包括的であり、全面的といえる。私は二年前に国の「森林・林業再生プラン」について詳しく検討した際、この政策にもっとも明確に反対論を提起したのが中嶋氏の自伐林業論だと評価したことがある(「山林」平成24年10月号)。

①自伐林業論の射程距離

 ところで、中嶋氏らが提唱する自伐林業論の射程距離はどの程度と評価すべきであろうか。「森林・林業再生プラン」への批判というレベルにとどまるのだろうか。決してそうではない、というのが私の見解である。

 折しも今年は林業基本法が制定されて50周年である。林業界をあげて基本法林政(特にその構造政策)の評価をめぐる議論が行われると予想されるが、その際、この自伐林業論の問題提起は避けて通れないものになると私は考えている。

 1959年に設置された国の「農林漁業基本問題調査会」は、予想される第二次産業を中心とする経済発展に第一次産業はどう対応すべきかを議論した。農業については、生産政策(選択的拡大)、構造政策(自立経営農家の育成)といった目新しい政策を打ち出し、それが61年の農業基本法に結実した。

 他方で、林業関係の答申では、構造政策において、当時、林業生産活動が活発だった「家族経営的林業(=農家林業)」を担い手に措定したため、大きな議論を呼んだ。「家族経営的林業」の考え方は農業における「自立経営農家」の育成政策と表裏一体の考え方ともいうことができるが、この構造政策は、①伝統的林学の考え方では、「林業とは大面積所有者が行うもの」との固定観念があり、それを答申が「資産保持的」として否定したこと、②これまで独立していた、農政と林政が担い手政策で強い連携を持つことになること、といった特徴を持っていた。大山林所有者や全林野だけでなく、おそらく林野技術官僚もこのような方向を認めることはできなかったのではないか。その結果、農業のように直ちに基本法制定に至らず、成立は64年までずれ込むことになる。このタイムラグが構造政策にとってきわめて大きな影響を与えたと私は思って
いる。

 具体的には、62年に林野庁森林組合課が創設した「林業協業促進対策事業」が大きな転機となる。この事業は、当時不活発組合が多かった森林組合に新たな役割を担わせようとしたものである。その考え方は、①今後の林業は、生産性を上げるために機械化され、しかも社会保障も完備した通年雇用の労働者により担われるべきである、②例えば、4haの所有者が七人いる場合(合計約30ha)、所有林は森林組合に施業委託させることにする、③約30haは機械化されれば二人で管理できるので、その二人は森林組合に所属する専業的林業労働者になってほしい(他の五人は林業から離れてもらってよいとの含意がある)、④そのために、森林組合に対して国はチェーンソーや集材機といった機械装備を補助しよう、というものであった。これは、森林組合を林業請負事業体に育成しようというもので、基本問題答申の「家族経営的林業」を担い手にしようという方向の全面否定といってもよいものである。

 その後、国有林解放運動への対処もあってようやく64年に成立した「林業基本法」では、構造政策としては、「家族経営的林業」、「森林組合」、「大山林所有者」を並列し、特定の担い手を措定することを避けたと私は解釈している(学会的には「家族経営的林業」が担い手に措定されたと評価されている)。

 立法後展開された「林業構造改善事業」は、「基本法林政」の中核をなすものだが、第一次林構の内容をみると、林道約70%、森林組合約25%であり、家族経営的林業対策は微々たるものであった。具体的内容からすると、森林組合重視路線をとったとみてよい。

 68年に創設された「森林施業計画制度」は属人型であったが、74年には属地型の「団地共同森林施業計画制度」が増設され、その後、この方向が強く推進された。七五年以降推進された「地域林業政策」においてもその中心に森林組合が位置づけられた。

 以上みたように、日本の林政は70年代以降一貫して自営型の農家林業や大山林所有者を軽く扱い、森林組合への施業委託を推進して現在に至っているといえる。

 中嶋氏らの自伐林業論は、これまで国から軽視されてきた「家族経営的林業」や自営型の「大山林所有者」への再評価を強く要請するものであり、単に「森林・林業再生プラン」への根源的批判にとどまらず、50年に及ぶ国の「基本法林政」全体に対する根本的問題提起となっていると評価することができよう。

②今後の検討課題

 第一は、中嶋氏らが批判する「施業委託型」の問題点の検証である。前提となる施業集約化の実現可能性はどの程度か、高性能林業機械化のコストはどの程度か、施業の荒さはどうか、森林組合の体質の問題、等々多くの点で具体的検証が必要であろう。

 第二は、自伐林業の析出基盤の検証である。佐藤氏の分析結果はあるものの、センサス結果からすると農家林家はさらに弱まっていることは否定できないと思われる。この点のさらなる検証が必要とされている。

 第三は、そのことを前提とすると、自伐林業を再構築し、発展させる道筋をどのように設定できるのかが問題である。中嶋氏ら主張するように「少しの支援さえあれば直ぐに立ち上がる」のかどうか。山村側の析出基盤が弱体化しているとすると、新規参入者を増やすしかない。林野庁の「緑の雇用」や山村対策だけではまったく不十分である。農林水産省、総務省等も連携して、定年帰林(農)を含め、都市住民の一部を農山村へ積極的に戻す新たな総合的政策が必要とされており、そのなかに「自伐林業」が重要な「受け皿」として位置づけられることになれば、新たな展開が期待できる。一般的にいって国の動きは遅いので、農山村自治体の理解が当面のポイントだろう。

 第四は、山本氏の提起した林業が成り立つ適正な木材価格水準はどうあるべきか、についての議論である。この問題は議論しても無駄だということでこれまで聖域化されてきた感がある。現実には市場に振り回され、その落差の一部を補助金により補填され、その補助金に振り回されてきたのが日本の森林・林業である。日本の今後の長期的な森林管理とその担い手を考える上で、この木材価格問題に関する議論は避けて通れない最重要の課題のひとつであろう。

第五は、農業政策への目配りである。今後の農業政策は、「自営型」から「委託型」へ大きく転換しようとしているように思われる。このことについて、しっかりと認識しておく必要がある。

 第六は、森林に関わる人間とその組織はどうあるべきか、ということの原理的検討である。「所有」という概念の原義にまで立ち戻り、地球環境制約下において、人間は植物資源とどのように付き合っていくのか。その場合に、「自伐型」「自営型」が本来の在り方と主張できるのか、ということである。官僚組織による国有林管理の実績は、この議論にも大きな示唆を与えている。また、森林組合組織についても冷徹な議論が必要である。

 第七は、用語としての「自伐林業」、「自伐林家」である。「自伐」という用語はなかなか実感的ではあるが、やはり学術面からの整理が必要である。自伐は自営と言い換えることが可能と思われる。

 また、「自伐林家」は、「林業自営林家」といえるが、中嶋氏らの「自伐林業」概念ははるかに広いようだ。氏らは常に実践の中から概念を作りだしてきており、今後、「自伐林業」概念がどこまで拡張されるのかについて、大いに注目する必要がある。

 以上、中嶋氏らの巨大な問題提起は、後の討論で提出された論点などとともに、国や地方自治体の林政担当部局だけでなく、林政学・林業経済学の研究者もしっかりと受け止めて、きちんと議論をする義務があるように思う。 
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# by npo-tosanomori | 2014-03-27 19:40