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中嶋理事長の「自伐林業/全国展開奮闘記」 なう! <其の2>

 FBより

[12月前半]
◆四国ウイークでした。四万十市、宇和島、嶺北、湯郷温泉、佐川町と対応しました。

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 四万十流域では、四万十市と四万十町の住民グループ、議員さんたちが中心に奮闘しています。自元県会議員さんも支援してくれるようになっているのですが、四万十市と四万十町の行政がまだ、どこ吹く風です。高知県の市町村は、どうも県におんぶにだっこというか、自らで考え判断する力が弱いようです。高知県に動いてもらわないと、動かないのでしょうか。地域では盛り上がり、事例もできつつあるのですが、この点が残念なところですし、今後の課題です。

 宇和島では、漁業関係者が森林整備に興味を持ち始めてきました。「森は海の恋人」というが、気仙沼の畠山重篤さんたちでも、実際にやっていることは、源流の山に行って時々植樹しているだけです。ほとんどパフォーマンスです。鋭いことにこの地域の方はちょっとそこ気付き始めていました。本当の「森は海の恋人」運動は自伐型林業の展開です。徐々に動いてくれるといいですね。

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 湯郷温泉は、温泉旅館等へ薪ボイラー(ガシファイアー)を導入し、地域の自伐林業者が供給する薪の地域循環システムを構築しようという取り組みで、薪ボイラーを使っている高知県いの町の「土佐和紙工芸村」の視察【写真】です。地域は林業従事者を増やせ地域振興になり、旅館は経費削減、地球温暖化対策が図れ、新たな旅行商品もつくれるような取り組みです。

 佐川町では、町職員を集めて自伐型林業の勉強会です。町あげて自伐型林業推進をすると決めた佐川町がじわっと動き出しました。

高知県佐川町長に堀見氏

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[12月後半]
◆宮城県気仙沼市、島根県津和野町、益田市

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 NPO法人土佐の森・救援隊が今最も重点的に支援しているところが気仙沼です。被災地支援活動としてスタートしましたが、地元団体も本気になり、一気に加速しています。

 システムの内容(木質バイオマス発電プロジェクト)は、高知県仁淀川町にて実施したシステムとほぼ同じ内容です。自伐林業+木質バイオマス利用+地域通貨です。仁淀川町システムとは、木質バイオマスのエネルギー利用の手法が手直しされておりますが、収集システムはまったく同じと言えます。

 しかし、立地は全く逆で、仁淀川町は山間地で、かつては林業盛んな地域、気仙沼は三陸の海沿いの漁業地域で林業はほとんどなかった地域です。同じ仕組みを導入してみると、全く同じ推移、同じ結果が出つつあります。実は、出荷者数、出荷量とも気仙沼が上回っているのです。これにはちょっと驚きました。被災地の真剣さゆえのことだと感じます。この事実は、土佐の森方式や自伐型林業が、全国どこでも対応可能であることを証明しています。すごいことです。

 仁淀川町事例も、定年退職者や高齢者農家たちが、先陣を切り、若者があとから追っかけました。気仙沼も全く同じ状況です。八瀬地区というところ定年退職者や高齢者農家が集まり、経営計画を立て持続的に自伐型林業を展開する覚悟を決めています。自伐林家養成塾を繰り返すことにより、定年後であっても、きちんとした林業が展開できることがわかってきたのでしょう。是非頑張ってほしいですね。今後は、若者が追随できる状況をつくっていきたいものです。そして日本の林業を変えていきたいですね。

・マスコミにも取り上げられた「気仙沼システム

 今年最後の遠征は津和野町と益田市です。

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 この地域は高知からは非常に遠くて、1日がかりでの移動です。しかし、両市町とも自伐型林業推進を自治体あげて実施しようという地域です。この前が気仙沼ですから、今年最後の3カ所は町上げて自伐推進する、全国モデルになりそうな地域を回ることができました。

 津和野町では、町長はじめ皆さんに提案をすることができ、動き始めました。益田市は既に意思決定は終わっており、具体的にどう展開するかのプロジェクトチームが立ち上がり、今回がその1回目の検討会です。来年度に向けて、具体的検討に入りました。活発な意見交換ができ、面白い状況になってきました。
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by npo-tosanomori | 2013-12-31 22:50

第5回副業型自伐林家養成塾③(平成25年度/高知県)

・第4クール(12月)
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12月のテーマは『軽架線』

講師 : 片岡正法氏(木の駅ひだか駅長)

・詳しくはここから

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■12月の研修内容は「軽架線」(成川順/報告・写真撮影/2013.12.21-22)

◆土佐の森方式軽架線の誕生

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 初日の午前中は、軽架線と林内作業車についての座学であった。午後は、茂平の森(日高村)で、それらを使っての一連の作業の流れを見学した。

 軽架線については、その生みの親ともいえる松本総括指導員が熱く語った。それは、およそこんな内容であった。

 「私は、80haほどの山林を持っていて、県職員をしながら、休みの日には、山仕事をしていました。30年前に林内作業車というものを手に入れ、(こんな便利なものがあるのか)と驚きました。一時、林内作業車は、大規模林業の高性能林業機械に押され、森林組合、木材生産業者などが全く使わなくなり生産中止の道を歩み始めていましたが、土佐の森方式による自伐林業(小規模林業)の全国的な普及により、その良さが見直され、最近は息を吹き返してきています。改良型の機種も出てきているようです。

 林内作業車を使って山中の木材を搬出する時、どうしてもうまくいかないことがあるのです。木材の縦の移動と横の移動がなかなかスムーズにいかないのです。それで、専門知識のある人に動滑車による力学的作動を、専門技術を持つ人にキャリア(鉄板製搬器)の設計を、それぞれ相談して工夫に工夫を重ねてできあがったのが、現在の「土佐の森方式軽架線」なのです。軽架線と林内作業車は、一体のものです。」
【写真】図を指し示しながら、軽架線誕生の歴史を熱く語る松本総括指導員。

軽架線とは

d0333343_7474757.jpg 林内作業車については、機械操作大好き人間の片岡指導員(「木の駅ひだか」駅長)が、得意のイラストを黒板いっぱいに描いて、わかりやすく説明した。

 土佐の森方式の自伐林業では、林内作業車は、木材の搬出のみならず、集材、運搬にも使う。

d0333343_7481193.jpg 軽架線による林地残材の搬出。この写真では木材の長さがわからないが、たいして太くもないのに、地面すれすれのところを引きずられて移動しているので、かなり長い木材であったと思われる。

 キャリアの鉄板は、厚さ1㎝、幅15㎝、長さ90㎝、重さ2.7㎏。4つの定滑車と1つの動滑車がセットされている。補助線(ワイヤー)を使うことにより、林内作業車から主索のスパンの長さの2倍(主索が100mであれば200m)離れたところの木材を引き上げることができる。


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 土佐の森方式の軽架線はキット化されており、高知県いの町枝川の綱屋産業(株)で販売されている。

 日本財団、国土緑化推進機構(緑の募金事業)などの助成対象機材になったことから全国に普及、森林ボランティア活動、自伐林家の間伐搬出作業に使われている。
◆現在の改良型「土佐の森方式軽架線」
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【写真】定期的に開催されている軽架線研修会(高知県本山町/吉野川森林救援隊)

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◆軽架線の実習

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 3班に分かれ、軽架線を使って林地残材の搬出を実地に行なった。私は、池さん、川端さん、長瀧さんと同じ班になり、林内作業車の操作から入った。写真は、長瀧さんが、作業道の下70mほどのところの木間に見え隠れするキャリアの動きを覗いながら、林内作業車を的確に操作しているところ。いつも感心するのだが、長瀧さんの機械操作能力は高い。

 次に、「ローテーション!」の号令がかかり、作業道の下70mほどのところに、草をかき分けながら、下りて行った。山中に集められていた林地残材を作業道へ引き上げるのである。長い補助線を使って、その地点まで遠くの残材を集めるという同時進行の作業もあった。玉子(木材の玉かけ用、1.5mくらいの長さ)をぶら下げたキャリアが下りてくると、動滑車のフックに木材を括り付けた玉子と付け替えて、作業道に引き上げるのである。

 再び笛が鳴り、「ローテーション!」の号令がかかる。林内作業車やチェーンソーのエンジン音で人の声がかき消されるので、現場では注意喚起の笛が活躍する。作業道に上がってきた木材を地面に下し、フックに玉子をつけて、再び下の現場にキャリアを戻すのが、ここでの作業である。最も体力を要求される現場であり、重い木材を着地させるときには、振り回されて、危険も伴う。

 午前中で軽架線の実習が終了したので、昼食の後、シイタケの榾木(ほだぎ)作りのための伐倒を行った。ファミリー・センターなどで売っている太くてまっすぐな榾木は、かなり選木されていることがわかった。

d0333343_749461.jpg 林内作業車は、集材や運搬も行なう。

 積まれているのは、3mに切りそろえられたA材である。軽トラに積まれているのは、およそ1.8mに切りそろえられたC材である。

 C材は、軽トラ一杯で、約3000円の計算である。

d0333343_7492293.jpg 伐倒され、作業道をふさいだシイタケ原木(ナラ)を解体し、1mサイズに切りそろえているところ。研修生たちの人海戦術で、作業は短時間で終わり、午後2時前に本日の研修はすべて終了した。

 深山の研修地では午後2時頃に終了するのは普通であるが「茂平の森」のように近場のフィールドで2時前に作業や研修が終わることは、珍しいことである。
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・第5クール(1月)

・第6クール(2月)

・第7クール(3月)
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by npo-tosanomori | 2013-12-22 18:58 | 副業型自伐林家養成塾